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2025.05.24
令和7年4月12日から「大村雪乃展 シールアートの世界」が始まりました。今年度のスタートを飾る企画展であり、六つのセクションに分け合計90点が出品されています。この中では、昨年大村さんがチューリップフェアを訪れて取材を行い制作した「チューリップと五連揚水水車TONAMI」と「チューリップの園TONAMI」の2作品が初出品されています。

左:《チューリップと五連揚水水車 TONAMI》
右: 《チューリップの園 TONAMI》
また、展覧会に訪れた人が誰でも楽しめる参加型ワークショップ作品も展示しています。この作品は、高さ180cm、幅350cmの大きさで、大村さんが今回のためにオリジナルで作ってくださいました。完成見本図を見ながら作品にシール貼る作業ですが、多くの方々に参加していただきたかったので、お一人様シール6枚以内という制限を設けました。それでは、この作品がどう変化していったかを写真とともに見て行きます。
完成見本図です。大村さんがフェアの取材を元にイラストレーターで描かれています。
4月16日(水)撮影。円形花壇のチューリップオブジェとチューリップタワーにシールが貼られています。まだまだスペースに余裕が見られます。
4月21日(月)撮影。円形花壇のチューリップのオブジェは完成に近づいています。チューリップタワーの花びらの部分が整い始めており、大花壇のチューリップはまばらです。
4月25日(金)撮影。22日(火)より「となみチューリップフェア2025」が始まりました。チューリップタワーの茎の緑が埋っています。円形花壇オブジェは完成といってよいでしょう。大花壇と空の雲がちらほら貼られています。遠景の樹木は目立ちません。
4月29日(火・祝)撮影。フェア期間の祝日ということもあり、美術館には6,000人ほどの入場者がありました。チューリップタワー、円形花壇とオブジェ、大花壇は完成しています。上空の雲の部分に隙間があります。
5月6日(火・振休)撮影。5日(月・祝)でチューリップフェアが終了しました。たくさんのご来場と参加ありがとうございました。最初からルールを変えずに進めた結果、すでに完成の域を超えて違う作品になっています(笑)。フェアを楽しんだ方々のエネルギーが反映されており熱気が画面から伝わってきます。シールを貼る場所が減ってくると参加者の皆様の楽しい工夫が随所に見られました。お子さんに人気のあるキャラクターや、万博のマスコットなどが、画面内に見え隠れしています。
展覧会期間と連動した一般参加型の作品を展示する試みは初めてでした。担当としては、途中で完成とし終了しても良かったのですが、来館者の方のエネルギーに圧倒され、どう展開して行くのだろうと好奇心が勝ってしまいました。結果として、この作品に関わった人々すべての生の躍動感が凝縮された作品になったと思います。引き続き会期終了まで継続する予定です。最終日の画像を掲載しますのでお楽しみにしてください。
6月8日(日)午後6時撮影。本日で、「大村雪乃展シールアートの世界」が終了しました。チューリップフェア期間を含め約6万人の皆様にご来館いただき誠にありがとうございました。
さて、参加型作品の姿はどうなったでしょうか?
見たところあまり大きな変化はみられませんが、画面から伝わるのは、一人一人の熱量がシールに託されて、生きるエネルギーが湧き出す明るく楽しい作品となりました。担当者として、会期の最終日まで通して参加型作品を展示したことは初めてであり貴重な経験となりました。これにてレポートを終了します。