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新敷 孝弘《乾漆筥「野辺」》1993年
「工芸の秀作」では、秋を感じる作品を展示します。
皆さんは、「秋」といえば、いろいろな言葉が思い浮かぶと思います。「十五夜」、「十六夜」などお月見の行事、作物が豊かに実る時期である「収穫の秋」や季節が進むにつれて感じる「秋の夜長」という言葉などが思い浮かぶでしょう。
今回は、当館の数ある収蔵作品の中から、漆芸では、漆黒の中に蒔絵や象嵌で月や星、街の灯りを表したものや、百花繚乱の中を悠々と飛ぶ蜻蛉を創作した作品。陶芸では、風や動物に見立てた形や、実った作物を食べる鼠などユーモア溢れるものがあります。他には、月に遊ぶ兎を彫った木工芸や過行く秋の深まりを感じさせる風景作品を展示しています。
それぞれの作者は、季節を肌で感じて自然を観察し、そこから着想を得て独自の創作を行っています。私たちは、これらの多様な表現を鑑賞することを通して、作者が感じた季節を共有することができます。どうぞこの展示室で「秋」の一日をお楽しみください。