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松村 外次郎《朱雀》1986年
このたび常設展示室1では、松村外次郎の彫刻作品を展示します。
松村外次郎は、1901年に庄川町青島に生まれた彫刻家です。富山県立工芸学校(現 富山県立高岡工芸高等学校)を卒業後上京し、吉田白嶺に師事し木彫刻の基礎を学びました。やがて東京美術学校彫刻科(現 東京藝術大学美術学部彫刻科)に進学し卒業後には、パリへ留学します。帰国後は、二科会を中心に作品発表を行っていましたが脱退します。戦後は、二紀会彫刻部創設に参加し発表を続けました。彼は、彫刻と彫塑の両方で具象作品、抽象作品と多岐に渡る創作を行っています。
今回は、収蔵する作品の中から、ブロンズの小品を中心に紹介します。1938年作「覇空(試作)」は、外次郎が晩年に取り組んだ四神(しじん)の創作に繋がる表現の萌芽が垣間見られます。彼が80歳から親子の情愛を主題に掲げて創作した「青龍」、「朱雀」、「白虎」、「元武」は、四神と呼ばれ中国神話に登場し方角と季節を司る守護神です。他には、バンカラな学生を主題とし青春を表現した「ふたり」、日本三景天橋立から着想を得た、股のぞきのユーモラスな姿を捉えた「天の橋立」や、石彫、木彫作品などを展示します。
松村外次郎の彫刻と彫塑の多様な表現世界をお楽しみください。